突然ですが、紙とペンをご用意ください。
そして、
「鳥の足」を描いてみて!
・・・
できました?
できましたね?
紙とペンなんて面倒くさくて用意してないわいって人も、
きっと頭の中でイマジナリーな「鳥の足」を描いてくれた
と信じていますよ。
私も試しに、
旦那さん(トリにはあんまり詳しくない)に
「鳥の足を描いてみて」とお願いしてみました。
その作品が、コチラ。
(横から見た絵らしい)
味がありますな
えっと……(あれ、思ってた展開と違うな)
旦那さんが描いた足は実際に存在はしますが
ぶっちゃけかなりレアな足。
一般的には、一般的には、
そして多分あなたも(強調)、
↓のようなカタチの鳥の足を描くのではないでしょうか。
▲ほとんどの人が想像する鳥の足はこんなカタチ…だよね?
旦那さんもこういう足を描くだろうな~と思ってたので
「ホラ!やっぱり鳥の足と言えばこう描くでしょ!」
という展開を予定していました(崩壊)。
……まあ、このように
ザ・鳥の足といえば「Ψ」このカタチ。
でも、
実は鳥の足のカタチって思ったよりイロイロな種類があるんですよ。
今回は、そんなトリたちの足に注目!
一体どんなカタチがあるのか、
楽しみに読み進めていってくださいね○
鳥の「足」をニンゲンの「手」に例えちゃった。
ちなみに今回、
わかりやすいかなと思って
それぞれの鳥の足のカタチを
ニンゲンの手に例えて表現してみたんですけど、
よく考えたら鳥の「足」を例えるならニンゲンの「足」であって
決してニンゲンの手ではない事に後で気づきました。
ま、いっか。
「なんかニンゲンとは全然違うスゲーカタチしてるんだなあ」、
って参考程度にご覧ください。
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三前趾足(さんぜんしそく)
トリの足と言えばコレ!
……的な足のカタチ。
3本の指が前に、1本の指が後ろに向いています。
あまりにもメジャーすぎて
「正足(せいそく)」という別名もあったりします。
「これぞ正(まさ)に足!」ってコト……なのか?(笑
ニンゲンの手で例えてみるなら、
「人差し指」「中指」「薬指」が前、
「親指」が後ろ、というカンジでしょうか。
ちなみに、
基本的にトリの指は「4本」です(例外あり)。
ニンゲンでいうところの「小指」がないんだよ。
得意なコト
- 木の枝にとまる
この足がイチバン得意なのは、木の枝にとまること。
前の3本と後の1本で枝をギュッと掴むことができます。
基本的に木の上で暮らすトリたちの生活には
この「枝にとまりやすい足」がピッタリで、
実際、ほとんどの鳥の足はこのカタチをしています。
コレを選んどけば間違いない。
「三前趾足」名前の意味
- 「三」=「3つ」
- 「前」=「前(向き)」
- 「趾」=「(鳥の)足の指」
……というコトで、「三前趾足」の意味は
「3本の趾(足の指)が前にある足」
だったら「三前一後趾足」じゃないんすか?
名付け親に聞いてください。
例えばどんな鳥?
スズメ、ハト、カラス、ニワトリ、メジロ、ウグイス、文鳥、十姉妹、・・・
……などなど、書ききれないほどたくさん!
皆前趾足(かいぜんしそく)
ちょっと珍しい足のカタチ。
全て(4本)の指が、全部前に向いています。
ニンゲンの手で例えるなら、
「親指」「人差し指」「中指」「薬指」が4本全部前です。
小指がない以外は、ニンゲンの手や足と似ていますね。
得意なコト
- 垂直な岩壁にぶらさがる・とまる
三前趾足と違って全部の指が前に向いているので
枝を掴むのはニガテ。
ですが、
前の4本の指を岩肌にひっかけることで
垂直な岩の壁にもピタッととまれるスゴい足!
岩場で暮らすのに特化した特別な足なんだね。
「皆前趾足」名前の意味
- 「皆」=「全て、全部」
- 「前」=「前(向き)」
- 「趾」=「(鳥の)足の指」
……というコトで、「皆前趾足」の意味は
「全部の趾(足の指)が前を向いている足」
例えばどんな鳥?
アマツバメなど
ツバメじゃないよ、アマツバメだよ
合趾足(ごうしそく)
基本的には「三前趾足」ですが、
前三本の指が根元でくっついています。
ニンゲンの手で例えてみるなら、
「人差し指」「中指」「薬指」が前でくっついていて、
「親指」が後ろ(ボッチ)です。
得意なコト
- 土手や地面に穴を掘る
足をスコップみたいに使って土を掘るんだって!
「合趾足」名前の意味
- 「合」=「一緒になる」
- 「趾」=「(鳥の)足の指」
……というコトで、「合趾足」の意味は
「趾(足の指)が一緒になった(くっついた)足」
例えばどんな鳥?
カワセミ、ハチクイ、ブッポウソウなど
対趾足(たいしそく・ついしそく)
インコを飼っている人にはお馴染み、ですね!
指は前に2本、後ろに2本向いています。
バツ?
エックス?
メ?
ニンゲンの手で例えてみると、
「人差し指」「中指」が前、
「親指」と「薬指」が後ろというコトになります。
得意なコト
- 木の枝にとまる
- モノを掴んで持つ
後ろ向きの指が増えたことにより、
木の枝を掴む性能がUP!
枝と枝の間を上手に行き来したり、
木の実を掴んで持ち上げるのも得意です。
でも歩くのはちょっとニガテ。
インコがドテドテ歩くところ、可愛いよねえ。
「対趾足」名前の意味
- 「対」=「向かい合う」
- 「趾」=「(鳥の)足の指」
……というコトで、「対趾足」の意味は
「指が(前と後ろ2本ずつ)向かい合っている足」
例えばどんな鳥?
インコ、オウム、カッコウなど
フリーダム薬指「可変対趾足(かへんたいしそく)」
対趾足は対趾足なんですが、
ニンゲンでいう「薬指」を前にも後ろにも
自由自在に動かせちゃうのが「可変対趾足」。
薬指を前にすれば、アラ不思議。
まるで「三前趾足」のようなカタチに!
そして薬指を後ろにすれば
木の枝やモノが掴みやすい
「対趾足」のようなカタチになります。
何でも器用にできる「三前趾足」と
モノをしっかり掴める「対趾足」のイイトコドリ。
ずるくね
例えばどんな鳥?
フクロウ、ミサゴなど
↑どちらも肉食の猛禽類です○
大きくて重いエモノを持つ時には、
しっかり掴める「対趾足」フォームが便利そうですね。
気持ち前向き「外対趾足(がいたいしそく)」
対趾足は対趾足なんだけど、
ニンゲンでいう「薬指」が外側にググーっと曲げられる対趾足。
「可変対趾足」ほど自由度はありませんが、
ほぼ真横まで曲げることができます。
キツツキが垂直な木の幹にとまる時に、
上下だけじゃなく横からも体を支えることができるので
より安定感が増すのかもしれませんね○
例えばどんな鳥?
キツツキなど
親指はもういらねぇ「三趾外対趾足(さんしがいたいしそく)」
薬指が横まで曲がる「外対趾足」に似ていますが、
ニンゲンで言うところの親指がなく、3本指です。
対趾足が「X」なら、
三趾外対趾足は「Y」……?
見えなくもない。
例えばどんな鳥?
ミユビゲラなど
あれ、指間違えてます?「変対趾足(へんたいしそく)」
見た目はそんなに「対趾足」と変わりませんが、
前後の指の組み合わせがちょっと違います。
……なんで?
対趾足:「人差し指」「中指」が前、「親指」「薬指」が後ろ
変対趾足:「中指」「薬指」が前、「親指」「人差し指」が後ろ
変対趾足をニンゲンの手でマネするのは
難易度エクストリーム。
例えばどんな鳥?
かの有名なケツァール(カザリキヌバネドリ)など
キヌバネドリの仲間だけ!
なかなかレアでしょ
五趾足(ごしそく)
基本的には「三前趾足」ですが、
後ろの指が2本で、合計5本の指があります。
指が5本あるといっても、
普通のトリにはない「小指」がある…ワケではなく
「親指」が2つに分かれているのだ!
ちなみに、足の指が5本以上あるのは
鳥類の中では「烏骨鶏(ウコッケイ)」だけなので、
激レアな足のカタチと言えるでしょう。
ウコッケイの中には、指が5本どころか6本……
なんなら7本ある子もいるらしい。
スゲー。
得意なコト
- ?
ハッキリ言って一般的な足と比べて何が便利なのか不明。
以上。
マジでか
「五趾足」名前の意味
- 「五」=「5つ」
- 「趾」=「(鳥の)足の指」
……というコトで、「五趾足」の意味は
「5本指の足」
史上最強にシンプルでわかりやすいですね。
例えばどんな鳥?
ウコッケイ
三趾足(さんしそく)
その名の通り、
一般的なトリとは違って足の指が3本です。
走るのにジャマだった後ろの1本、
ニンゲンでいう「親指」が退化しました。
記事の冒頭で旦那さんが描いてくれた足はコレだった説。
得意なコト
- 走る!
なんで指が少ないと走るのが得意なのかというと、
力学的に地面に触れる部分が少ないほど速く走れるんだって。
走るのが得意なウマの指は1本。
つまり、指の数が少なくなるほど速い。
詳しくはWEBで!(丸投げ)
「三趾足」名前の意味
- 「三」=「3つ」
- 「趾」=「(鳥の)足の指」
……というコトで、「三趾足」の意味は
「3本指の足」
歴代最強にシンプルでわかりやすいですね。
例えばどんな鳥?
エミュー、ヒクイドリなど
二趾足(にしそく)
その名の通り、
一般的なトリとは違って足の指が2本です。
三趾足から更に減らしちゃったパターン。
ニンゲンでいう「親指」と「人差し指」が退化しました。
つまり、中指と薬指だけで立ってます。
スゴい。
得意なコト
- 走る!!!
三趾足よりも指が少なくなり、
更に地上を走るのが得意になりました。
もはや走るためだけの足といっても過言ではないかも。
ダチョウは時速およそ70kmで走れるので、
そのへんを走ってる車より普通に速いです。
ちなみに先ほどのエミューは時速およそ50km。
コチラもじゅーぶん速い。
「二趾足」名前の意味
- 「二」=「2つ」
- 「趾」=「(鳥の)足の指」
……というコトで、「二趾足」の意味は
「2本指の足」
空前絶後にシンプルでわかりやすいですね。
例えばどんな鳥?
ダチョウ
蹼足(ぼくそく)
指が前に3本、後ろに1本までは「三前趾足」と同じ。
ですが、
前の指3本の間に「蹼(みずかき)」という膜があります。
水鳥の足としてはメジャーなカタチなので、
「標準蹼(ひょうじゅんぼく)」とも言います。
得意なコト
- 水面を泳ぐ
- 水中に潜る
蹼(みずかき)があると、
足の面積が大きくなる=水への抵抗が大きくなるので
水の中でも素早く泳ぎ回ることができます。
子どもの頃、
プールで足に黄色いヒレ付けませんでした?
アレ付けると速く泳げて面白いよね!
鳥たちの蹼(みずかき)にも同じ効果があるのです。
「蹼足」名前の意味
- 「蹼」=「(鳥の)みずかき」
……というコトで、「蹼足」の意味は
「蹼(みずかき)がある足」
シンプルでいい。
例えばどんな鳥?
カモ、ハクチョウ、ペンギン、フラミンゴ、カモメ、ミズナギドリなど
「標準蹼」とも言う通り、
水上で暮らす鳥たちの多くは蹼足です。
全蹼足(ぜんぼくそく)
指は前に3本、後ろに1本で「蹼足」と似ていますが、
前の指だけでなく後ろの1本にも蹼(みずかき)が繋がっています。
蹼足よりも更に水をかくチカラが強いので、
ペリカンなど体の大きな水鳥も上手に泳ぐことができます。
例えばどんな鳥?
グンカンドリ、ウ、ネッタイチョウ、ペリカンなど
半蹼足(はんぼくそく)
前の指3本に蹼(みずかき)がある
……という所までは「蹼足」と一緒ですが、
蹼(みずかき)が指の付け根にほんの少ししかありません。
気持ち程度。
そのため泳いだり潜ったりは出来ない、
もしくは出来てもそんなに得意ではないです。
でも、気持ち程度の蹼のおかげで
ぬかるんでやわらかーい泥の上でも体が沈まない!
泳げないけど泥の上では歩きやすい半蹼足は、
水辺を歩いてゴハンを探す鳥たちにとって
ピッタリな足のカタチなんですね。
例えばどんな鳥?
サギ、コウノトリ、シギ、チドリなど
泳がないで、水辺を歩いてゴハンを探すトリ(渉禽類)たちです。
欠蹼足(けつぼくそく)
ほぼ「蹼足」。
…ですが、蹼(みずかき)が
蹼足のような完全なカタチではなく
ブーメランのように切れ込みが深いカタチをしています。
例えばどんな鳥?
アジサシなど
弁足(べんそく)
蹼(みずかき)ではなく、
全ての指にヒラヒラした葉っぱのような膜がついています。
得意なコト
- 水面を泳ぐ
- 水中に潜る
- やわらかい泥の上を歩く
蹼足とは全然違うカタチをしていますが、
弁足も水をかくチカラがあるので、
泳ぐのにとても便利です。
弁足の膜は指1本1本についているので、
全部の指がくっつく蹼(みずかき)よりも
歩く時や枝にとまる時にジャマにならなそうですね。
「弁足」名前の意味
「弁」という字の意味はたくさんありますが、
- 「弁」=「花びら(のような)」
という意味もあるってコトで、「弁足」の意味は
「花びらのような(ヒレがついた)足」
……ってカンジでどうですか?
誰に聞いてんの?
例えばどんな鳥?
オオバン、カイツブリ、ヒレアシシギなど
いくつ知っていたかで鳥オタク度がわかる……かも?
ひとえに「鳥の足」と言っても、
こーんなにイロイロな種類があった!
知ってる足のカタチはどれくらいありましたか??
それぞれの足に得意なコトと苦手なコトがありますが、
- 木の上を飛び回って暮らす鳥は枝が掴みやすい足
- 地上を走って移動する鳥は走るのが得意な足
- 水上で暮らす鳥は泳ぎが得意な足
……といったカンジで、鳥たちは
自分の生活スタイルや住む場所によって
得意なコトを活かせる足のカタチをしているんですね。