鳥類図鑑を見てみると、
ほとんど必ず鳥の「大きさ」が書いてあります。
「全長」とか「翼開長」とかいう名前だったりしますが、
それって一体ドコからドコまでのサイズの事なんだろう?
ニンゲンの体の大きさといえば、
代表的なのは身長ですね。
身長は地面から頭の上までの大きさを測ります。
他には足のサイズだったり、スリーサイズだったり…
でも、鳥たちも同じかと言えば答えはNO。

今回は、ニンゲンとはちょっと違う
鳥たちの体の大きさの測り方をイロイロご紹介します(/ ・ω・ )/
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全長(ぜんちょう)

鳥のからだ全体の大きさが全長。
Length(長さ)の頭文字を取って「L」と書く事もあります。
「L 20cm」って書いてあれば、「全長20cm」って事ですね。

鳥類図鑑に載っている鳥の大きさはほとんど全長です。
単純に「大きさ○○cm」と書いてあったら、
全長のことだと思って間違いなし!
ドコからドコまでの長さ?
全長は、クチバシの先端から尾羽の先端までの長さ。
基本的には(↑のメジロさんのように)仰向けにして、
首を軽く伸ばして測ります。
クチバシや尾羽が長い鳥に注意!
全長にはクチバシや尾羽の長さも含まれているので、
クチバシや尾羽がグーンと長い鳥=デカい!
クチバシや尾羽が短い鳥=ちっちゃい!
…という事になります、数字ではね。
例えばサンコウチョウという鳥。
オスもメスも体の大きさは変わりませんが、
オスの尾羽がとーっても長いのが特徴です。

だから、メスの全長が17.5cmなのに
オスの全長はナント44.5cm!
数字だけ見たらもはや別の生き物。
サンコウチョウの全長44.5cmっていうのは
ハシボソガラス(50cm)に迫るイキオイのデカさですが、
実際に見たら可愛らしいちっちゃな小鳥。
とてもカラスと同じくらいの大きさには見えません。

そういうワケで、
全長は鳥の大きさの単位としてよく使われているけど
実際に見た大きさとイマイチ一致しないなんて欠点もあり。
特にクチバシや尾羽が長い鳥の全長を見る時には
惑わされないように注意しましょう。
嘴峰長(しほうちょう)

嘴峰長は、その名の通りクチバシの長さの事。

クチバシの根元から先端までの事を嘴峰(しほう)って言います。
知ってるとカッコいい専門用語なので
ぜひ覚えとこう(`・ω・´)
ドコからドコまでの長さ?
鳥のおでこの羽毛の生え際から、クチバシの先端まで。
直線距離で測るので、
カーブしたクチバシでもまっすぐ測ります。

▲ソリハシセイタカシギさん
蝋膜(ろうまく)がある鳥は…
「蝋膜(ろうまく)」という部分は嘴峰長にいれないので注意!
蝋膜がある鳥は、
蝋膜を除いたクチバシの始まりから測ります。
一番想像しやすいのがセキセイインコかな?
クチバシとおでこの間に盛り上がった部分がありますよね。
青かったりピンクだったりする鼻のあたり。
ココが蝋膜です。

クチバシの一部みたいに見えるけど、
柔らかいお肉なんですよ。

黄色いクチバシの部分だけ測るってコトだね。
…という事で、蝋膜がある鳥は
見た目よりも嘴峰長が短くなっちゃう事も。
翼長(よくちょう)

読んで字のごとく翼の長さの事。
広げた翼ではなくたたんだ翼の長さを測ります。

「全長」とか「翼開長(次で紹介します)」と比べると、
図鑑でもそんなに見かけないマイナーな印象(笑
ドコからドコまでの長さ?
翼角(よくかく)から、一番長い羽(風切羽・かざきりばね)の先端まで。
翼角がドコなのかは↑のイラストをみてね!
ちなみに翼角はニンゲンで言うと手首。
翼開長(よくかいちょう)

先ほどの翼長はたたんだ翼の長さでしたが、
翼開長は広げた翼の長さ。
Wingspan(翼長)の頭文字を取って「WS」と書くこともあります。

翼長と名前が似ててややこしいですが、
翼開長は(翼長と違って)鳥類図鑑にはよく出てくる大きさなので
覚えておくと便利^^b
「翼幅(よくふく)」と呼ばれることもありますが、
鳥類学的には「翼幅」ではなく「翼開長」を使う事が多いですね。
ドコからドコまでの長さ?
完全に翼を広げて、
翼の先端からもう一方の先端までを測ります。
片方の翼の長さではなくて、
左右両方合わせての長さなのがポイント。
翼開長がデカイ=必然的に鳥もデカイ(笑)ので、
全長とは違って実際の見た目の参考にもしやすい数値と言えます。
尾長(びちょう)

これはご想像の通り、尾羽の長さの事。

(びちょう)じゃなくて(おなが)って読んじゃうと
鳥の名前になっちゃうので注意(笑
ドコからドコまでの長さ?
尾羽は閉じた状態で、
中央の尾羽の付け根から一番長い尾羽の先端までを測ります。
尾羽のカタチは色々な種類があります。
- 中央の尾羽だけが長い鳥
- 両端の尾羽が長い(真ん中は短い)鳥
どんなカタチの尾羽でも、一番長い羽の先端までが尾長!
というのがポイントです。

跗蹠長(ふしょちょう)

難しい字ですが、
鳥の足(↑のイラストの部分)を「跗蹠(ふしょ)」と言います。

簡単に言えば”鳥の足”、
カッコよく言えば”跗蹠”。
ドコからドコまでの長さ?
足の曲がっている部分から中指の付け根までを測ります。
ほとんどの鳥は素肌が見える部分ですが、
中には跗蹠までふわふわの羽毛が生えている鳥も^^
難しい漢字「跗蹠」

フツーに生きてて「跗蹠」なんて絶対使わないですよね。

あれ?手元の電子辞書でも出てこないんですけど…(笑
「跗」は足の甲、「蹠」は足の裏という意味があります。
鳥の足の曲がっている部分は、
何となくヒザのようにも見えますが
ニンゲンで言うと踵(かかと)なので、
鳥の跗蹠はニンゲンの足の甲や足の裏にあたる部分。
読んで字の如く。
鳥たちならではの測り方たくさん
以上、色々なトリの大きさの測り方をご紹介しました。
専門用語がいっぱいでちょっと難しかったかもしれませんが、
図鑑に載っている大きさはほとんどが「全長」と「翼開長」
という事だけでも覚えておいて損はナシ!
ニンゲンにはなくて鳥たちにはある
クチバシや翼、足(「跗蹠(ふしょ)」、でしたね!)の測り方も
きっとドコかで何かの役にたつことでしょう。
…たぶん。
▲「全長」の測り方がわかれば「ものさし鳥」をもーっと活用できるかも
鳥はニンゲンとは全然違うカタチをしてるでしょ?
だからモチロン体の大きさの測り方も違うんだよー。