【本当はスゴいアホウドリ】アホなんて付けられちゃったけど、実はカッコいい鳥なんです。

「空の王者」アホウドリさん | トリまみれイラスト




面と向かって「阿呆(アホウ)」と悪口を言われる
可哀想な名前のトリとして定評がある

アホウドリ

…ですが、
実はアホウドリさんは
そんな名前からは考えられないほど
スゴい能力があるカッコいいトリなのです!

今回は、
🔸アホウドリが「阿呆(アホウ)」という名前になったワケ
🔸全然アホウじゃない!アホウドリのスゴいとこ
などなど解説していきたいと思います( ..)φ

てんキュー

アホウドリさんの汚名返上だー!

アホウドリは何で阿呆(アホウ)?

アホウドリさん | トリまみれイラスト

▲アホウドリさんはこんな鳥

アホウドリは翼開長が213~229cm
全長が84-94cm
体重は3~5kgもあるかなりデカいトリ。

日本の海鳥では最大級です。

てんキュー

翼を広げたら大人の男性よりもデカい!

鳥の身体測定 | トリまみれイラスト

【鳥の身体測定】鳥の大きさってドコからドコまで?全長・翼開長ナド測り方イロイロ

2019.04.03
▲「翼開長」や「全長」について詳しくはコチラ

ただ、ちょっと弱点がありまして…

体の大きさの割には翼が大きく
体重も空を飛ぶ鳥にしては重めなので、
一度地面に降りると飛び立つのに長い助走が必要
なかなか簡単には飛び立つことができません。

長い翼が邪魔して歩くのも正直ヘタ。
(テチテチしてて可愛いけど)

また、アホウドリが子育てをする孤島には
元々ニンゲンや哺乳類など天敵がいなかったので、
アホウドリはニンゲンを怖い敵だと思っていません。

もしニンゲンが巣に近づいても、
卵を守るために巣に座って追い返そうとするだけなので、
地上にいるアホウドリは
素手でも簡単に捕まえることができたようです。

マイペースなアホウドリさん | トリまみれイラスト

近づいても逃げようとしない。
簡単に捕まえられる。
動きもノロマでドン臭い。

この鳥はアホだなあ。

というワケで
阿呆(アホウ)鳥という不名誉な名前が付けられたのです。
※阿呆とは…「知恵が足りなくて愚か」という意味

てんキュー

いきなり島に押しかけられて
やれノロマだの、やれアホだのと
好き放題言われるアホウドリさんであった。笑

アホウドリさん

それにしても悪口すぎるよね!?

このように簡単に捕まえられるので
19世紀後半頃から羽毛をとるためにどんどん乱獲され、
現在アホウドリは絶滅危惧種に指定されています。

本当はスゴいアホウドリの能力

「アホな鳥」呼ばわりされるアホウドリさんですが、
汚名返上のために最初に言います。

それは完全に誤解だと!

アホウドリさんは、
地上にいる時は本来のチカラを発揮できていません。

アホウドリさんの能力は大空に飛び立った時にこそ発揮されるのです。

完全飛行特化型!

一度空に舞い上がったアホウドリは、
その大きく長い翼で海面の気流をうまく掴み
ほとんど羽ばたくことなく飛び続けることができます。

アホウドリのように
水面の気流を利用した効率が良い飛び方を
ダイナミック帆翔(はんしょう)
またはダイナミックソアリングと言います。

ダイナミック帆翔の仕組み(簡易版)
アホウドリさんのダイナミック帆翔図解 | トリまみれイラスト

風速は高度が高いほど速く、海面近くになると遅くなります。
それを利用して、

  1. 上空の速い風に乗って距離を稼ぐ(追い風)
  2. 風に乗りながら海面まで少しずつ下降していく
  3. 海面ギリギリまで降りたらくるっと後ろに反転
  4. 海面の遅い風で減速しながらふわっと上昇(向かい風)
  5. 上空に戻ったらまた反転して①に戻る

…と、こんな動きの繰り返しで
ほとんど羽ばたくことなく長距離を移動できるのです。

てんキュー

ダイナミック帆翔について詳しくは
いつかちゃんと記事にする(たぶん)ので
今回はこのへんで…m(_ _)m

とにかく飛行に特化していて、
産卵や子育てのために地上に降りる時期以外は
ほとんどの時間を海上を飛んで過ごすほど。

時間だけでなく移動距離も超スゴく、
最大のアホウドリであるワタリアホウドリは
10~20日で1万~2万kmを飛ぶこともあるそうです。

1日で1,000km。

東京から福岡までの距離を1日で
しかもほとんど羽ばたかずに飛べちゃうんだから
ものスゴい飛行能力ですよね。

アホウドリさん

その代わり、
風がない日にはあんまり飛べないんだけどね。

超絶ムズカシイ!ゴルフの「アルバトロス」はアホウドリのこと

ところで、
日本の名前はちょっと可哀想なアホウドリさんですが、
英語の名前はアルバトロス(Albatross)と言います。

てんキュー

カッコいい!

「アルバトロス」という言葉自体は
ゴルフ関連で聞いたことがある人が多いのではないでしょうか。

ゴルフの「アルバトロス」

ホールの規定打数より3打少なく
カップイン(プレイ終了)すること。

ホールインワンよりも更に難しく、
アルバトロスの達成率は100万~200万分の1程度なんだとか。

ゴルフのスコアには他にも
バーディー(鳥)イーグル(鷹)など
鳥関係の名前が付けられていますが、
難易度順に並べてみると

バーディー < イーグル < アルバトロス
如何にも強そうなイーグルより、難易度は上なんですね。

ゴルフ場を飛ぶアホウドリさん | トリまみれイラスト

何故そんな難しいスコアに
アホウドリの名前がついたのかというと、
もちろんその素晴らしい飛行能力が由来と言われています。

風をつかんで悠々と飛ぶアホウドリのように
優雅にカッコよくボールを飛ばしてみたいなあ…

そんな憧れからつけられたのかも。

アホウドリさん、カッコいいでしょ?

地上では確かにちょっとドンくさくて
不名誉な名前を付けられたアホウドリさんですが、笑
空を飛ぶことに特化した超カッコいいトリなんです!

結構イメージ変わったでしょ?

てんキュー

アホウドリさんは「空の王者」と呼ばれることも。
大きな翼で優雅に飛ぶ姿はまさに王者!ですよね。

アホウドリさん

照れるなあ。