水辺で翼を広げてポカポカ日光浴をする
黒くてデカい鳥を見たことがある人は多いハズ。

そのへんのカモよりデカくて全身真っ黒という
そこにいるだけでも存在感のある鳥が
翼を広げたままボーッとしてるんで、
目立ってしょうがないというか
嫌でも目に入るというか…
一体アレは何をしてるんだろう??
…という疑問の声(誰の?)にお応えして
今日はそんなウの謎行動について紹介します。
今日は絶好の洗濯日和です。
結論から先に言うと、
水でビショビショに濡れた羽を乾かしているのです。

翼を広げて日光浴することを「羽干し」といいます。
読み方は…
はぼし?はねぼし?うぼし?

誰か教えてー!
ウは水に潜って魚を捕る水鳥。
泳いだり潜ったりした後、
羽に染み込んだ水を乾かすために
翼を広げて日光浴をしているんですね。


ちなみに日光浴とは言うけど
雨の日も乾かそうと頑張ってる事があるらしい。
なんかちょっとヌケてて可愛い!(笑)
一方、同じ水鳥でもカモさんはというと…
水に潜って濡れた翼を乾かしてる、
それはなるほど納得(してもらえたハズ)。
でも、同じ水鳥でも他に色々いますよね。
カモとか、カイツブリとか、ハクチョウとか…。

▲呼んだ?
そんな他の水鳥たちが
ウのように翼を広げてボーっと突っ立ってるの
見た事ありますか?
無いですよね!?(強調)
カモたちもウと同じように水に潜る鳥なんだから、
同じように翼を広げて乾かしてても
おかしくないはずです。
何でウだけわざわざ羽を乾かさないといけないのか、
それはウの体の仕組みと特技に秘密があります。
秘密はウのある”特技”
ウはカモたちと同じ水鳥ではありますが、
特に潜水に特化した鳥です。
…というのをチョット覚えていてくださいね。
一般的な鳥たちは、尻尾の付け根あたりにある
尾脂腺(びしせん)という部分から出る脂を
羽繕いの時に全身の羽に塗っています。

▲尾脂腺はこのへん。

自分でオイルメンテナンスしているのだ!
脂は水を弾く性質があるので、
脂を塗った羽は雨に濡れてもビショビショにならないし
泳いでいてもプカプカと水に浮かべるんですね。
一方、
ウは尾脂腺があまり発達していないので
羽に脂を塗る事ができません。
つまりウの羽には水が染み込みやすいのです。
実はこの「水が染み込みやすい羽」は
「水に沈みやすい羽」ともいう事ができ、
ウが潜水に特化した鳥である大事なポイント。
水に潜った時に体が浮き上がりにくく
水中でスムーズに泳ぎ回る事ができるんです。
水中だとカモたちはプカプカ浮いちゃって
潜るのが大変なのですが、
ウは楽々と潜りながら泳ぎ回れるというワケですね。
潜るのは得意だけど、
逆に水面を泳ぐ時はとっても大変そうかも…

という訳で水を弾かない潜水特化なウの羽。
潜水には便利な一方で実はデメリットもありまして…
羽に水が染みすぎると
体が重くなって飛べなくなるわ、
素肌までビショビショなので寒いわ!
そう、だから日光浴をして
水に濡れた翼を乾かす必要があるのです。
ウは水に潜ったらビショビショになるので乾かしてる。
カモは水に潜ってもビショビショにならないので乾かす必要がない。
…という事ですね。
潜水特化型のウだからこその羽干し
以上、ウが翼を広げて日光浴する理由は
「水に潜る」という特技を伸ばしたために
ビショビショに濡れやすい羽を乾かすため、でした。
翼を広げてボーっとしてるのって
のんびりしててちょっとアホ可愛い(?)光景ですが、
ウにとっては大切な行動だったんですね。
ちなみに「羽干し」はウだけに限らず
他の鳥もやることがあります。

ハトやニワトリが地面の上でトロトロに溶けてるの、
見たことありませんか?笑

ただ、他の鳥たちは羽を乾かす…というよりは
日光で寄生虫を落としたりするのが目的だそうです。
「羽が濡れやすいから乾かしてるんです」というのは
ウならではと言えますね。
どうも、ウです。