全長20cmくらいととっても小さいのに、
カエルやトカゲ
さらには他のトリまで襲って食べちゃう肉食系の鳥、
その名もモズ!
「モズのはやにえ」が有名だよね。
トカゲとか串刺しにするやつ……
名前だけ知ってる!
って人も多いんじゃないかと思いますが、
「モズ」という名前を漢字でどう書くか知っていますか?
正解は……
「百舌鳥」。
百舌鳥と書いてモズ。
3文字あるのに読みは2文字。
クイズ番組でも難読漢字として出題されるくらい
初見じゃ絶対読めないお名前。
他にも鵙とか鴃とか書く事もありますが、
とりあえずそれは置いといて(置いとくの?)
今回は「百舌鳥」という漢字名を紹介していきます。
漢字だけ見れば百の舌を持つ鳥
……という意味になりますが、
もちろん実際にベロが100枚あるわけではありません。
あったらコワイでしょ
なんでベロが100枚ないのに
モズさんは漢字で「百舌鳥」と書くのか、
今回は、その名前の本当の意味を紹介します(`・ω・´)ゞ
ページコンテンツ
モズさんは「100の言葉を持つ鳥」だった!
百舌鳥(もず)という名前の「舌」という漢字は、
そのまま舌……
つまりベロのことではありません。
「舌」という字を調べてみると、
ベロという意味のほかに
2 話すこと。言葉遣い。弁舌。「—を振るう」
デジタル大辞泉(小学館)より抜粋
とも書いてあります。
つまり、「舌」という字には
「話す・言葉」という意味もあるんですねえ。
「毒舌(どくぜつ)」とか「二枚舌(にまいじた)」とかいうもんね!
これで何が言いたいかというと、
「百舌鳥」という漢字名が表している本当の意味は
❌100枚のベロがある鳥ではなく
⭕100の言葉を持つ鳥だ!!
ってコトなんです。
どうしてモズが「100の言葉を持つ鳥」なの?
モズさんが何で「100の言葉を持つ鳥」
という意味の漢字名をもらったのかというと、
モズさんはモノマネがとっても上手な鳥で
他の鳥の鳴き声をマネすることができるから!
モズさんが得意な鳴き声モノマネレパートリー
- ヒヨドリ
- スズメ
- ウグイス
- オオヨシキリ
- メジロ
- シジュウカラ
などなど……
イロイロな鳥たちの鳴き声を自分のさえずりに組み込んで、
より複雑な歌を歌う事で
ほら!こんなにいろんな声が出せるよ!
スゴいでしょ!
……と、モズ女子にアピールするんですね。
モノマネが上手なほどモテるんだろうなあ。
なんだか親近感が!
モズさんはたくさんの鳴き声=言葉を使いこなす鳥。
これが、
百・・・100(たくさん)の
舌・・・言葉を使いこなす
鳥・・・トリ
すなわち「百舌鳥(もず)」という漢字名をもらったワケなのです。
「百」という漢字には
「たくさん」「色々」といった意味もあるので、
実際に100種類の鳴き声をマネする
……というコトではありませんよ!
「百舌(もず)」から「百舌鳥(もず)」に
余談ではありますが、
実はモズさんの漢字名は
最初は「百舌鳥」ではなく「百舌」という2文字だったようです。
なぜ鳥という字がついて3文字になったのか
その理由はいくつか説があるようですが、
「百舌」という漢字だけを見たら
いったいナニモノなんだかイメージが湧きづらいので、
鳥の名前ですよ~
と一目でわかるように鳥という字を最後にくっつけた、
という説が有力だそうですよ。
確かに「百舌」だけだと
鳥というより妖怪みたいかも……。
ちなみに
「百目(ひゃくめ)」っていう妖怪はいるよ。
百舌鳥のふりがなは「百(も)舌(ず)鳥」……?
ところで、
「百舌鳥」は漢字3文字なのに
読み仮名は「もず」という2文字ですよね。
もしかして、
と読むのでしょうか。
そしたら「鳥」が余るじゃん……
答えはNO(早)。
「百舌鳥」は「百舌鳥」でワンセット。
3文字セットになってはじめて「もず」と読みます。
ふりがなを振るとしたら、こう。
百と舌と鳥にそれぞれ分解しちゃったら
それはもうモズとは読まないのです。
百舌鳥(ひゃくしたどり)になっちゃう……かもね。
やっぱり妖怪だった!?
「百舌鳥」は熟字訓
「百舌鳥」と書いて「もず」と読む。
こういう単語は「熟字訓」と言って、
2文字以上の漢字がワンセットになった時だけ読める単語です。
「明」は「あし」とは読まないし
「日」は「た」とは読まないけど、
2文字ワンセットになれば「明日(あした)」になるよね!
ほかにも「大人(おとな)」とか「紫陽花(あじさい)」とか
例を挙げればキリがないほどたーくさん。
得意技が名前になったモズさん
以上、
モズを漢字で書くと「百舌鳥」になる理由でした。
モズさんはちっちゃくて可愛らしい鳥ですが、
100の言葉を持つ鳥……なんて
二つ名みたいでカッコいい!
モズは日本ならほぼどこでも会える鳥ですが、
いろんな鳥のモノマネを聞いてみたいなら
モズの恋の季節でもある2月~春頃が狙い目。
タイミングがあったら、
ぜひその声真似レパートリーに耳を傾けてみてくださいね。