今回の主役はこの鳥!
カラス(ハシブトガラス/ハシボソガラス)


ことわざの意味
- 入浴時間が短いこと
- お風呂に入ってもサッと出てきてしまうこと
(お風呂から)もう出てきたの!?早くない!?
的な場面で使うとGood!

あの子はお風呂が嫌いだから、
いつも烏の行水でねえ…
ちゃんと洗えているのかしら?
…といったカンジに
「ホントにちゃんとキレイに洗った~!?」
みたいなニュアンスで使われる事もあるので、
基本的には人を褒めるというよりも
ネガティブ寄りの言い方になる事が多いことわざです。
「鳥(とり)」じゃなくて「烏(からす)」。
ことわざの由来
カラスの水浴びの様子から生まれたことわざです。
タライや桶などにためたお湯(水)で
体をキレイに洗うことを「行水」といいます。

シャワーで体を洗うのは行水とは言わないみたい。
鳥たちも水たまりなどにたまった水でお風呂に入りますから、
とてもピッタリな表現ですよね。
皆さんの中には、もしかして
「カラスは汚い・不潔」
というイメージを持っている人はいませんか?

まさかそんな人いないよねー!?
まあ、確かにイメージだけで言えば、
カラスはゴミを漁ったり散らかしたりする事があるので
キレイな鳥という印象はあまりないかもしれません…

▲宝の山だ!
でも、カラスってめちゃくちゃキレイ好き!
毎日のように水浴びをして
体についたゴミや汚れを落としているので、
いつでも体はピカピカです+*
…なんですが…
その水浴びの時間がとっても短くて、
アッという間に終わってしまう(と言われている)んですね。
カラスたち的には満足いくまで
ゆっくりとお風呂を堪能しているのかもしれませんけど、
ニンゲン目線だとあまりにも早すぎるので
キレイに洗ってないように見えちゃう事も。
そんな様子をニンゲンに置き換えて、
- カラスみたいにアッという間にお風呂から出ちゃう
- (汚れているのに)よく洗わないですぐお風呂から出てくる
という意味で
「烏の行水」ということわざが生まれたんですね。

カラスさんの名誉のために言っておくと、
入浴時間は短くても
とっても丁寧に体を洗っていますよ。
鳥たちはみんなキレイ好きなのです。
鳥は基本的に「烏の行水」

…と、カラスばかりが
お風呂が短いという意味で注目されてますが、
カラスだけじゃなくて
基本的に鳥たちの入浴時間はとっても短いです。
水は地面などの低い位置にたまっているので
水浴びの時間は鳥たちにとってはキケンな時間。
- (空や木の上に比べて)周りのキケンに気付きにくい
- キケンに気付いても安全な木の上まで飛ぶのに時間がかかる
- 地面には鳥をゴハンにするネコやヘビがウロウロしている
などなど危ないことがいっぱいです。

のんびり湯船に浸かって~…
なんてしてるヒマはなく、
できるだけ急いで体をキレイにしなくてはいけません。
天敵が多い小さな鳥ほどお風呂が短い傾向があって、
例えばスズメなんて
カラスの何倍もの目まぐるしいスピードで
お風呂タイムが終了したりします。
烏の行水より更に短い!という意味で
「雀(すずめ)の行水」なんて例えられる事も。
雀の行水という言葉は本来ありませんが、
本当にお風呂が短い人なんだろうなあ…
と妙に納得してしまう造語ですよね。笑

ニンゲンが長風呂すぎるんじゃないのー?
…という訳で、
特別にカラスだけが入浴時間が短いということはありません。
それでもカラスが「お風呂が短い」代表として
このことわざのモデルに選ばれたのは、
- 他の鳥に比べてカラスが水浴びをする姿をよく見るから
※小鳥はあまりニンゲンの前で水浴びをしません(ニンゲンが怖いので) - よく水浴びするクセにアッという間に終わるのもよく見るから
- いつも汚れているイメージなのにちゃんと洗ってないように見えるから
…かもしれませんね。
ドッチのカラスがモデルなんだろう?
とりあえず両方主役ってコトでいいね。