面と向かって「阿呆(アホウ)」と悪口を言われる
可哀想な名前のトリとして定評がある
アホウドリ
……ですが、
実はアホウドリさんは
そんな名前からは考えられないほど
スゴい能力があるカッコいいトリなのです!
今回は、
- アホウドリが「阿呆(アホウ)」という名前になったワケ
- 全然アホウじゃない!アホウドリのスゴいとこ
などなど解説していきたいと思います( ..)φ
アホウドリさんの汚名返上だー!
頼んだぞー
アホウドリは何で阿呆(アホウ)?
▲アホウドリさんはこんな鳥
アホウドリは翼開長が213~229cm、
全長が84-94cm、
体重は3~5kgもあるかなりデカいトリ。
日本の海鳥では最大級です。
翼を広げたら大人の男性よりもデカい!
ただ、ちょっと弱点がありまして……
体の大きさの割には翼が大きく
体重も空を飛ぶ鳥にしては重めなので、
一度地面に降りると飛び立つのに長い助走が必要で
なかなか簡単には飛び立つことができません。
長い翼が邪魔して歩くのも正直ヘタ。
(テチテチしてて可愛いけど)
また、アホウドリが子育てをする孤島には
元々ニンゲンや哺乳類など天敵がいなかったので、
アホウドリはニンゲンを怖い敵だと思っていません。
もしニンゲンが巣に近づいても、
卵を守るために巣に座って追い返そうとするだけなので、
地上にいるアホウドリは
素手でも簡単に捕まえることができたようです。
- 近づいても逃げようとしない。
- 簡単に捕まえられる。
- 動きもノロマでドン臭い。
この鳥はアホだなあ。
というワケで
阿呆(アホウ)鳥という不名誉な名前が付けられたのです。
※阿呆とは・・・「知恵が足りなくて愚か」という意味
いきなり島に押しかけられて
やれノロマだの、やれアホだのと
好き放題言われるアホウドリさん……
それにしても悪口すぎじゃん!?
このように簡単に捕まえられるので
19世紀後半頃から羽毛をとるためにどんどん乱獲され、
現在アホウドリは絶滅危惧種に指定されています。
本当はスゴいアホウドリの能力
「アホな鳥」呼ばわりされるアホウドリさんですが、
汚名返上のために最初に言います。
それは完全に誤解だと!
アホウドリさんは、
地上にいる時は本来のチカラを発揮できていません。
アホウドリさんの能力は
大空に飛び立った時にこそ発揮されるのです。
完全飛行特化型!
一度空に舞い上がったアホウドリは、
その大きく長い翼で海面の気流をうまく掴み
ほとんど羽ばたくことなく飛び続けることができます。
アホウドリのように
水面の気流を利用した効率が良い飛び方を
ダイナミック帆翔(はんしょう)
またはダイナミックソアリングと言います。
ダイナミック帆翔の仕組み
風速は高度が高いほど速く、海面近くになると遅くなります。
それを利用して、
- 上空の速い風に乗って距離を稼ぐ(追い風)
- 風に乗りながら海面まで少しずつ下降していく
- 海面ギリギリまで降りたらくるっと後ろに反転
- 海面の遅い風で減速しながらふわっと上昇(向かい風)
- 上空に戻ったらまた反転して①に戻る
……と、こんな動きの繰り返しで
ほとんど羽ばたくことなく長距離を移動できるのです。
ダイナミック帆翔について詳しくは
いつかちゃんと記事にする(たぶん)ので
今回はこのへんで……m(_ _)m
アホウドリさんは長距離移動のプロ
アホウドリさんはとにかく飛行に特化していて、
産卵や子育てのために地上に降りる時期以外は
ほとんどの時間を海上を飛んで過ごすほど。
時間だけでなく移動距離も超スゴく、
最大のアホウドリであるワタリアホウドリは
10~20日で1万~2万kmを飛ぶこともあるそうです。
1日で1,000km。
直線距離でいけば
東京から九州・北海道までヨユーで飛べちゃう。
1日1,000kmという長距離を
1日で、しかもほとんど羽ばたかずに飛べちゃうんだから
ものスゴい飛行能力ですよね。
その代わり、
風がない日にはあんまり飛べないんだけどね。
超絶ムズカシイ!ゴルフの「アルバトロス」はアホウドリのこと
ところで、
日本の名前はちょっと可哀想なアホウドリさんですが、
英語の名前はアルバトロス(Albatross)と言います。
カッコいい!
「アルバトロス」という言葉自体は
ゴルフ関連で聞いたことがある人が多いのではないでしょうか。
ゴルフの「アルバトロス」ってなに?
ホールの規定打数より3打少なく
カップイン(プレイ終了)すること。
ホールインワンよりも更に難しく、
アルバトロスの達成率は100万~200万分の1程度なんだとか。
ゴルフのスコアには他にも
バーディー(鳥)やイーグル(鷹)など
トリ関係の名前が付けられていますが、
それを難易度順に並べてみると
バーディー < イーグル < アルバトロス
となります。
如何にも強そうなイーグルより、
アルバトロスの方が難易度は上なんですね。
何故そんな難しいスコアに
アホウドリの名前がついたのかというと、
もちろんその素晴らしい飛行能力が由来と言われています。
風をつかんで悠々と飛ぶアホウドリのように
優雅にカッコよくボールを飛ばしてみたいなあ……
そんな憧れからつけられたのかも。
アホウドリさん、カッコいいでしょ?
地上では確かにちょっとドンくさくて
不名誉な名前を付けられたアホウドリさんですが、(笑
空を飛ぶことに特化した超カッコいいトリなんです!
結構イメージ変わったでしょ?
アホウドリさんは「空の王者」と呼ばれることも。
大きな翼で優雅に飛ぶ姿はまさに王者!ですよね。
てれるなあ。