「鵜(ウ)」という鳥を知っていますか?
ほら、よく水辺でのんびり羽を乾かしてる
黒くてデカい鳥です。
ウにも種類がいくつかありますが、
日本でよく見るウは
- ウミウ(海鵜)
- カワウ(川鵜・河鵜)
の2種類。
他にもヒメウ、チシマウガラスというウもいます。
さて、このウミウとカワウ。
何となく想像がついてる方も多いと思いますが
(というかタイトルで完全にネタバレしていますが)、
これまたすんごくよく似てるんですよ。
海にいるのが”ウミウ”で
川にいるのが”カワウ”なんでしょ?
と思いきや、
川にウミウがいたりもするし、
海にカワウがいたりもするし。
カラスさんたちもなかなかそっくりさんですが、
もしかしたらそれよりも見分けにくいかも……?
今回は、そんなそっくりさんでややこしい
ウミウとカワウの見分け方について紹介してみます。
住んでる場所で違いがわかる?
先ほどの導入でもちょっと触れた通り、
いかにも
「海にいるのがウミウですよ」
「川にいるのがカワウですよ」
って感じのネーミングですが、
そうとは限りません。
ウミウが川にいることも
カワウが海にいることもあります。
例えば、東京湾は海ですが
そこにいるウはほとんどカワウなんだって。
どういうこっちゃ。
ウミウは海に、カワウは川に……と
それぞれの名前通りの場所にいることが多いのは確か。
ただ、
ザックリと判断するにはそれで良いのですが
絶対!という見分け方ではないんですね。
どうやら住んでる場所だけで見分けるのは難しそうです。
体の大きさ(全長)で違いがわかる?
ウミウとカワウ、実は体の大きさが違います。
カワウ:全長80cm / ウミウ:全長84cm
……といった感じで、
ウミウの方がカワウよりほんのちょっと大きいんですね。
って、わかるかーい!
正直、隣に並んでくれないと違いがわからない。
1羽でいたら全然わからない。
隣に並んでてもわからない可能性が……
だって全長4cmしか違わないんだもん……
大きさだけで違いが分かるようになるには
ある程度の修行が必要かもしれません。
顔の模様で違いがわかる?
全身真っ黒でそっくりさんなウミウとカワウですが、
実はひとつ明確な(?)違いがあります。
それが、ココ。
いつもよりリアル寄りに描いてみたよ。
どちらのウも顔に黄色い部分があるのですが、
ウミウは口角(口の端っこ)で黄色部分が尖っていて
カワウは尖りません。
また、白いほっぺのような部分も
ウミウの方は目の上まで広がっているので大きく見えて、
カワウは控えめだけどくっきりしている印象。
といった具合に、一応ちゃんと区別がつくんですね。
って、わかるかーい!(2回目)
遠くにいるウの口元なんて見えない。
しかも、ほっぺの白い部分は個体差が大きくて
「白い部分が控えめなウミウ」とかも普通にいるらしい。
望遠鏡や望遠レンズでじっくり覗けるならまだしも、
そのへんで見かけただけのウを見分ける方法としては
結構難易度が高いかも。
体のテカり具合で違いがわかる?
どちらも黒くてテカテカした鳥ですが、
一応そのテカり具合にも違いがあります。
ウミウの方がちょっと緑っぽいテカテカで、
カワウの方がちょっと茶色っぽいテカテカ。
おおっ、これなら頑張れば違いがわかるんじゃない?
……と思ったんですが、
ウミウも若いうちは茶色っぽいテカテカなので
茶色っぽいテカテカしたウが
果たしてカワウなのか若いウミウなのかわかりづらい。
しかも「緑っぽく(or茶色っぽく)テカる」ってだけで
基本的にどちらも黒いことに変わりはないので、
その時の光の具合でテカり方も変わってきます。
やっぱりわかるかーい!(3回目)
ウーン、見分けられなくてもいっか。
という訳で、超絶そっくりさんな
ウミウとカワウの見分け方をいくつかご紹介しました。
が、
どれもこれもパッと見で判断しづらかったり
季節や環境、年齢(成鳥・幼鳥)によって
見た目が変わったりもするので
難易度がバードウォッチングガチ勢向け。
どうやら通りすがりのウを見た目だけで判断するのは
かなーり難しいようです。
まあ、トリに詳しくない人から見れば
カモもウも全部一緒に見えるらしいし、
「カモとウの違いがわからん」って言われたことある。
ウをウだってわかるだけで十分スゴイじゃん。
じゅーぶんトリ博士じゃん。
という結論で締めくくらせていただきます。
以上!