ペンギンって何でお腹が白いんでしょうね?(唐突)
コウテイペンギン、イワトビペンギン、ケープペンギンなど
ペンギンにはたくさんの種類がありますが、
みんな背中が黒くて、お腹が白……という
とってもオシャレなタキシードカラーをしています。
実はこのタキシードカラーには
ペンギンたちが水中生活で
とっても有利になるような仕組みがあるんだって。
単純にカワイイってだけじゃなかったのかあ。
周囲に溶け込み魚を惑わすペンギンのワザ
ペンギンのお腹が白い最大のメリット、
それは……
エサが捕りやすくなる!(ババーン)
ペンギンのゴハンは、
みなさんご存じの通り、お魚。
ペンギンたちは水中を飛ぶように泳ぎながら
すばしっこく逃げ回る魚を上手に捕まえます。
泳ぎが上手だから魚捕りも上手。
という事なんですが、
なんと、その狩りの時にお腹が白い事が役立つらしい。
ウーン、ホントぉ??
ペンギンが…消える…!?
ペンギンが魚を捕まえに行くと…
魚から見たら、なんとペンギンが消える!
というのです。
プールや海などの水中は青っぽい色をしていますが、
水中から上(空の方)を見上げてみると
太陽や月の光で水面が白く輝いて見えますよね。
ペンギンの白いお腹は、
その眩しい白色の水面に溶け込む保護色になるんです。
保護色(ほごしょく)ってなに?
雪山なら白、ジャングルなら緑…など
周囲の色に溶け込むような色のコト。
敵から襲われにくくなったり、
獲物から見つかりにくくなったりする便利な色です。
▲保護色代表:雪山のライチョウさん
白い水面から襲い来る白いお腹!!
水中にいる魚たちにとって、
水面(上)から襲ってくるペンギンは
さぞや見えづらいに違いありません。
逆に、
もしペンギンが全身真っ黒だったら、
真っ白な水面に浮かび上がる
くっきり黒いシルエット……
これはさすがに魚たちにもバレバレでしょう。
上から見ても消える…!?
上(水面の方)にいるペンギンは見えづらい。
では、
下(海底の方)にいるペンギンはどうでしょう?
魚たちはペンギンより上を泳いでいれば
襲い来るペンギンを無事に避ける事ができるんでしょうか。
ヨユーっしょ。
水中から上(水面)を見た時には太陽の光で白っぽく見えますが、
水中から下(海底)を見た時には逆に暗い……
つまり黒っぽく見えるハズです。
ココで思い出してほしいのが、
ペンギンはお腹が白いだけじゃなく背中が黒いという事実。
そう、
下にいるペンギンも消える。(笑
さっきと逆パターンで、
もしペンギンが全身真っ白だったら、
暗い海底に浮かび上がる白く光り輝くペンギン…
もちろん魚たちにもバレバレでしょう。
ちなみにコレはペンギンが食べられる側になった時も同じ。
シャチやアザラシなど天敵からしても
水面(上)にいるペンギンは白いお腹で見えづらいし、
海底(下)にいるペンギンは黒い背中で見えづらい。
なので結果的に逃げられる可能性が上がるという事です。
ペンギンたちのカラーリングは、
地上では「カワイイ」以外あまり役に立ちませんが
自分がサカナを襲う時にも
自分がシャチに襲われる時にも
相手に気づかれにくいという
水中でこそ発揮される便利な保護色効果があるんですね。
タキシードカラーを活用しているのはペンギンだけじゃない
そういえば、
ペンギンだけではなくシャチやイルカ・魚といった
水に住む生物って、
お腹が白くて背中が黒いヤツが多いような気がしませんか?
もしかしたら、彼らも
ペンギンと同じような「保護色」効果を
利用しているのかもしれませんね。
カワイイ+便利!ペンギンのタキシードは最強
ペンギンたちのオシャレカラーには、
ただカワイイだけじゃなくて
大事な役割(保護色効果)があるのでしたー
……というお話でした。
どうでしょう、
ペンギンたちを見る目が変わったのではないでしょうか?
ちょっとカッコイイかも。
ちょっとかーい。
今度、試しに襲われる魚の気持ちになって
水中を飛ぶように泳ぐペンギンたちを見てみてくださいね。