日本人は1人あたり1年に平均で約330コ……
つまりは1日に1コくらいは食べていると言われるたまご。
毎日の食卓になくてはならないものなので、
身近なスーパーやコンビニなんかには
必ずと言っていいほど売られていますよね。
しかもちょー安い。

頑張って産んでるのにー。
そんなスーパーやコンビニで見かけるたまごは
「赤いたまご(赤玉あかだま)」
「白いたまご(白玉しろだま)」
どっちかがほとんどだと思います。
ほかにはピンク色の「ピンク玉」、
あとはちょっと種類が違うけど
アローカナというニワトリが産む水色のたまごもあります。
普段たまごの色なんて意識してない人もいるかと思いますが、
なんとな~く、なんとな~くですよ?
「赤玉の方が美味しそう」
「赤玉の方が栄養がありそう」
「赤玉の方が高級」
ってイメージ、ありません??
同じような値段で赤玉と白玉が並んでたら、
つい赤玉を買っちゃう人が多いのではないでしょうか。

私も赤玉がすき。
……という訳で、今回は
- カラの色で美味しさや栄養に違いはあるのか?
- 赤玉と白玉は一体どう違うのか?
などなど紹介していこうと思います。
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で、違いはあるの?

早速結論をブチかましますけど、
たまごのカラが赤かろうが白かろうが
美味しさにも栄養にも違いはありません。
もちろんたまごのブランドや産地、
あとは「ビタミンE強化卵!」みたいな
特定の栄養を強化したたまごによっては
味や栄養に違いがある事もありますが、
単純に「カラが赤いから美味しい」とかいう事はありません。
美味しいたまごはカラが赤くても白くても美味しいし、
栄養を強化したたまごは
カラが赤くても白くても栄養が高いのです。
たまごの色は○○で決まる!
じゃあ赤玉と白玉って何が違うのかというと、
たまごを産むニワトリの品種が違うんです。
白いたまご代表ニワトリ:白色レグホン・ジュリア

赤いたまご代表ニワトリ:ボリスブラウン(ハイラインブラウン)

……さて、勘のいい方は気付いてしまったかもしれませんね。
- 赤いニワトリは赤いたまごを産む
- 白いニワトリは白いたまごを産む
という事実に……!!
そう、めちゃくちゃ単純に言えば
ニワトリの色=たまごの色という事になるんです。
何てわかりやすいんだ。

例外はあるので絶対ではないけど、
こう思っておけば間違いない!
赤玉ができるまで
たまごが産まれる前に
親鳥の赤い色素がカラの表面に付くことで
赤い色のたまごになるらしいですよ。
つまりカラの表面だけ染まるので、
割ったら内側は白い(染まってない)!
↑今度赤玉を買ったら確認してみてね。
でも実際白玉より赤玉の方が高級じゃん?
という事で、
赤玉も白玉も美味しさや栄養には違いはないんですが、
何となく赤玉の方が美味しそうとか
高級そうなイメージって、ありますよね??

実はイメージだけってワケでもなくて、
激安たまごと並んで売られている
「生産者こだわりのたまご」とか「栄養強化卵」とかの
ちょっと高めのブランドたまごは結構な割合で赤玉だったりします
(もちろん全部じゃないけど)。
あとは激安のたまご同士でも赤玉の方が気持ち高めだったり。

たまごの色は美味しさにも栄養にも関係ないのに
なんで赤玉の方が高いの?
赤玉の方が高級な理由①:赤玉ニワトリの方がエサ代がかかる!

赤玉ニワトリ代表のボリスブラウンは
ゴハンをたーくさん食べるパワフルなニワトリ。
白玉ニワトリ代表のジュリアや白色レグホンは
ボリスブラウンより食べる量は控えめです。
つまり、
たまご1コを産むために必要なエサの量が多いので
その分赤玉の方が高くなる、
というのが理由①です。
ただし、
最近はニワトリの品種改良などで
ほとんど差がなくなってきているみたいです。
赤玉の方が高級な理由②:白玉の方がたくさん採れる!
日本では白玉ニワトリ……
特に白色レグホンが多く飼育されているので、
その分たくさんのたまご(白玉)が採れます。

飼育されているニワトリの品種の割合
日本で飼育されているニワトリの品種の割合は
- 白玉ニワトリ(白色レグホン、ジュリアなど)・・・61.1%
- 赤玉ニワトリ(ボリスブラウンなど)・・・31.9%
- ピンク玉ニワトリ(ソニアなど)・・・7.0%
という資料があります(令和元年度)。
一般社団法人日本種鶏孵卵協会「レイヤー種鶏導入および素ひな計画生産の概要」より

私たちが食べているたまごの80%くらいは
白色レグホンのたまごと言われているらしい。
へぇ~。
また、白玉ニワトリは赤玉ニワトリよりも
少しだけたまごを産む頻度が高く、
結果的に採れるたまごの数も多くなります。
つまり、
赤玉の方が数が少ない”貴重なたまご”なので
お値段が高くなりがち、
というのが理由②です。
元たまご屋さんの経験談

私はどうしてもトリ関係のお仕事がしたくて
たまご屋さんで働いていたことがあります。
ニワトリさんたちみんな可愛かったなあ。
私が以前勤めていたたまご屋さんでは
ジュリア(白玉ニワトリ)は約1日で1コ、
ボリスブラウン(赤玉ニワトリ)は約1日半で1コ
たまごを産むと言われていました。
これを1カ月単位で見てみると、
白玉は約30コ採れるのに対して
赤玉は約20コしか採れない事になります。
やっぱり赤玉はちょっと貴重。
赤玉の方が高級な理由③:ニンゲンの錯覚
私たちニンゲンは
味やニオイで料理を楽しんでると思いがちですが、
実はかなりの割合で
見た目で「美味しい」と感じているそうです。
特に大事なのが色らしいのですが、
例えばこーんな感じのたまごが並んでたら……

▲わかりやすいかなーと思って珍しく写真を使ってみました(てんキュー撮影)
どっちが美味しそうかと聞かれれば
「右のたまご」と答える人が多いのではないでしょうか。
右の方が味も濃厚そうに見えませんか?
それは右のたまごの方が
- 色が濃く
- 赤みが強い
からです。
※左側の写真は色が薄く・赤みが弱く見えるように色を加工してます
ニンゲンってば不思議なもので
色が濃くて赤みが強い方が美味しそうに見えちゃう
みたいなんですねー。
こだわりたまごを宣伝する時にも
「黄身の色がこんなに濃いオレンジ色!」
ってのを推しがちだし。

ちなみに、サラッと言うけど
黄身の色も美味しさとか栄養価には関係ないです。
例えばパプリカを食べさせると赤みが強い黄身になる
……といった感じで、
黄身の色は食べるエサの色素によって変わるのです。
カラの色が濃い赤玉の方が
ニンゲン(お客さん)にウケがいいので、
たまごの生産者さんも
ブランドたまごは赤玉で作ることが多いようです。
赤玉は色の錯覚からくる高級なイメージで
実際にブランドたまごにも選ばれやすく
お値段が高めになりがち、
というのが理由③です。
赤玉も白玉もたまごはたまご!どっちも美味しい。
赤玉が高くなりがちな理由を紹介してきましたが、
赤玉が高級で美味しそうなのは
実際に味や栄養が白玉より良いからではないんですね。

同じような環境で育ったニワトリのたまごなら、
赤玉も白玉も美味しさ・栄養に違いはない!ってコト。
たまごの美味しさや栄養価の高さは
カラの色ではなく
- どんなエサを食べているのか
- どんな環境で育っているのか
でほとんど決まるので、
美味しさや栄養を追求したたまごを選びたい人は
ぜひエサや飼育環境に注目してみてくださいね。