日本人は1人あたり1年に平均で約330コ……
つまりは1日に1コくらいは食べているらしいたまご。
そんなに食べちゃう?
たまごは栄養満点で色んな料理に使えるので
いつでも冷蔵庫に入れておきたい必需品ですが、
「生卵」と「ゆでたまご」では
どっちの方が長持ちするか知ってますか?
やっぱり”生”より加熱した”茹で”の方が
腐りにくそうな気がしますよね。
まあ、ネタバレすると生卵の方が長持ちなんだけど←
……ということで、今回は
- 何でたまごは生の方が長持ちするのか
- 逆に何で加熱すると傷みやすくなるのか
そんなたまごの疑問をまったり解決していきます(`・ω・´)ゞ
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たまごの賞味期限はどれくらい?
賞味期限とは
「食材が美味しく食べられる期限」のことですが、
生たまごの場合は
「生の状態で美味しく食べられる期限」のこと。
スーパーで買える市販の生卵の賞味期限は約2週間です。
つまり買ってから2週間くらいは
TKG(たまごかけごはん)でもすき焼きでも
安心して美味しく食べられます。
日本卵業協会によると
たまごを生食できる期限(賞味期限)は
「夏は産卵後16日、冬は産卵後57日以内」だそうです。
※冷蔵庫(10℃以下)で保管
ただ、市販のたまごの賞味期限は季節関係なく
念のため短めの「2週間以内」に設定されています。
「生」と聞くとすぐに腐っちゃうイメージがあるけど、
たまごって意外と長持ちなんだよね。
ただ、ゆでたまごになると話は別。
カラ付きゆでたまごの賞味期限は2~3日!
カラを剥いたらなんと当日中!!!
生に比べてグーッと短くなっちゃいます。
お肉や魚などは火を通したら
生よりも日持ちするイメージがありますが、
たまごの場合はどうやら逆なようです。
なんで?
生のたまごには大切な中身を守る【バリア】がある!?
何故たまごは茹でると長持ちしないのか……
というか、
なんで生の方が長持ちなのか。
とっても簡単に言えば
たまごにはバリア機能があるから。
私たちが食べるたまごは
基本的にはヒナが孵らない無精卵ですが、
それでもたまごはたまご。
- ヒナが大きく育つための栄養を蓄える
- ヒナが孵るまで中身を守る
というとーっても大事な役割が本来のお仕事です。
ヒナが孵化するまでニワトリなら約21日間。
それまでの間に腐るわけにはいきませんよね。
「腐る」ってどういうこと?
細菌などの微生物によって組織が破壊・分解され変質すること。
つまり、食べ物についた微生物が増殖することで
味や香りが悪くなって食べられなくなる状態です。
なので、
生きているたまご(生卵)には
中身を腐らせてダメにする細菌から中身を守って
鮮度を保つバリアのような機能が備わっているんです。
中身を細菌から守れ!たまごのバリア①:カラ(卵殻)&クチクラ層
たまごはこう見えて(?)呼吸をしています。
そのため、
カラには空気を入れ替えるための
目に見えない小さな穴(気孔)がたくさんあいているのですが、
そのままでは穴から細菌も汚れも入り放題です。
そこで活躍するのが、
たまごの表面を覆っている「クチクラ層」という膜。
この膜がバリアとなって、
気孔から細菌が侵入するのを防いでいるのです。
そもそも、カラ(卵殻)そのものが
中身に直接細菌が付かないように守る物理的なカベでもあります。
ゆでたまごにすると……
クチクラ層は水洗いでも剥がれてしまうので、
もちろん茹でても簡単に洗い流されてしまいます。
茹でると「クチクラ層バリア」が剥がれて
細菌が中に侵入しやすくなるから
長持ちしなくなるってワケですね。
また、”生”も”茹で”も関係なく
たまごはカラ付きの方が長持ちしますが、
それはカラを剥いてしまうと
カラ(卵殻)という壁そのものが無くなるから。
たとえ茹でる時にカラを剥かなくても
茹でる時に細かいヒビが入ったり割れたりしてしまうので、
これも茹でると長持ちしなくなる原因のひとつです。
スーパーのたまごは洗浄済み!
クチクラ層が無くなると長持ちしない
……とは言いましたが、
実はスーパーで売られているようなたまごは
GPセンターという特殊な施設でキレイに洗浄されているので
クチクラ層が剥がれてなくなっていることがほとんど。
その代わりしっかり殺菌されるので
クチクラ層がなくなってても長持ちする、ってワケ。
ちなみに、
クチクラ層がある(=洗浄していない)たまごが欲しい場合は、
養鶏場の直売所や道の駅などで
「無洗卵」として売っているのを買ってみてくださいね。
表面がザラザラした手触りなのが特徴だよ。
中身を細菌から守れ!たまごのバリア②:殺菌酵素リゾチーム
たまごの卵白に含まれている
「リゾチーム」という名前の酵素(たんぱく質)には
細菌を溶かす殺菌作用があります。
もしたまごの中まで細菌が侵入してきたとしても、
このリゾチームが菌の増殖を防いで
感染から守ってくれるってワケです。
ゆでたまごにすると…
リゾチームは加熱すると性質が変わり
殺菌作用がなくなってしまう、とのこと。
つまり、
茹でると侵入した細菌を倒すチカラがなくなるので
菌が繁殖しやすくなり、
結果的に傷みやすくなる原因になるのです。
たまごのバリアは「茹で」に弱い!
たまごの中身を守るバリアである
「クチクラ層(&卵殻)」と「リゾチーム」
どちらも茹でることでバリア機能がなくなり
細菌が繁殖しやすくなる
……つまり腐りやすくなるので、
生卵の方がゆでたまごより長持ちする、というコトですね( ..)φ
大切なヒナを守るためのたまごの仕組み、
いやあ、スゴいなあ(小並感)。
たまごを茹でたりカラを割ってしまったら、
その日のうちに食べきるようにしましょう。