冬が終わり少しずつ暖かくなってくると、
「梅にメジロがきてました!」
なーんて投稿がSNSで激増。
カワイイ写真盛りだくさんで気分もほっこりです。
つい最近知ったんですが、
梅にメジロで「梅ジロー(ウメジロー)」っていうらしいですね!
最初はどこかのメジロのニックネームだと思ってた。(笑
とっても目立つうえにあざと可愛いメジロが
SNS野鳥部門の投稿を埋め尽くす中、
ヒヨドリ、そして(意外と?)スズメも
甘くて栄養満点な花の蜜がダイスキ!
そんな花の蜜大好きな鳥たちですが、
どうやって蜜を吸っているのか気になるー!!
……という訳で、
今回は甘党な鳥たちの花の蜜の吸い方について
ご紹介していきますよ。
蜜を吸う鳥と言えば「ハチドリ」でしょ?
ハチドリさんは日本の野鳥ではないので
身近な鳥……とはちょっと言えないし、
蜜を吸う仕組みがメジロたちと少し違うので
今回は割愛させていただきました。
いつかハチドリの蜜の吸い方についての記事も書く
……かもしれないし書かないかもしれない(保険)。
ページコンテンツ
注目ポイントは「クチバシのカタチ」と「舌のカタチ」
さて、蜜の吸い方をご紹介する前に
残念な(?)お知らせがございます。
今回は花の蜜が大好きな身近な鳥として
- メジロ
- ヒヨドリ
- スズメ
以上3種類の鳥たちをご紹介していくのですが、
実はこの中で「花の蜜を吸うのが得意」と言える鳥は
メジロとヒヨドリ。だけ。
……ん?
というのを最初にお伝えしておいて……。
花の蜜を吸うのが上手かどうかは
クチバシと舌のカタチを見れば一目瞭然!
それぞれの鳥たちの蜜の吸い方を見ていきましょう○
【花蜜上級者①】メジロ
よくウグイスさんと間違われる事で有名な(?)メジロさんです。
メジロはまんまるでボテッとした体の割に
細くて長いクチバシをしています。
そしてもっと特徴的なのが
筆のように枝分かれしたフッサフサな舌。
このクチバシと舌のカタチがちょう重要!
細長いクチバシは蜜がたまっている花の奥の方まで
スッと差し込む事ができますし、
筆のような舌は蜜をたくさん絡めとれちゃう便利ツールなんです。
なんで筆のような舌が蜜を吸うのに便利なの??
例えばですが、
目の前に同じ太さの「鉛筆」と「筆」があるとします。
この2本を水が入ったコップに突っ込んだら、
どっちが水を多く吸う(含む)でしょうか……?
そりゃあ、筆の方がたくさん吸いますよね。
(吸ってくれないとそもそも文字書けないし…)
水などの液体には
「細ーい管があると重力に逆らって吸い上げられる」
という性質があります。
筆の場合は、
毛と毛の間の細かい隙間が細い管の代わりになるので
水を吸い上げる力が発生するというワケですね。
もうこれ以上は「毛細管現象」でググってくれ。
メジロさんの舌はこの「毛細管現象」を上手に使った
蜜が吸いやすい舌なのです!
スゴいでしょ。
メジロさんの蜜の吸い方
メジロはこんな便利な体の仕組みをフル活用。
- 細長いクチバシを花の奥まで差し込み
- 筆のような舌を突っ込んで蜜をたっぷり絡めとって
- 舌を引っ込めて口の中へIN!
あとは好きなだけ舌をペロペロ出し入れすれば
上手に花の蜜を食べられるというワケです。
蜜を「吸ってる」のではない
ちなみに「蜜を吸う」とは言いますが、
鳥は水などの液体をチューチュー吸う事ができないので、
実際には吸うと言うより「掻きだす」ってイメージの方が正解。
▼詳しくはこんな記事もあるので、良かったらどうぞ(∩´∀`)∩
【花蜜上級者②】ヒヨドリ
ヒヨドリさんも細長いクチバシと筆のような長い舌を持っています。
日本ではいつでも見られる身近な鳥ですが、
こんな変わった舌があるなんて知らなかった人も多いのでは??
こうして見てみると、
メジロとヒヨドリは全然違う鳥なのに
クチバシも舌もカタチがそっくりですね!
ヒヨドリさんの蜜の吸い方
カタチが似ているだけあって、
蜜の吸い方もメジロとほぼ同じ。
- 細長いクチバシを花の奥まで差し込み
- 筆のような舌を突っ込んで蜜をたっぷり絡めとって
- 舌を引っ込めて口の中へIN!
ヒヨドリはメジロの何倍も身体が大きい鳥ですが、
上手に花の蜜を吸う姿が見られますよ*
でも花ごと食べちゃうことも多いとか……(笑
【強行突破型】スズメ
じゃあ、スズメさんもきっと花の蜜を吸うための
ちょうど良いカタチをしてるんだろうなー♪
……と思いきや、
残念ながらそうはいきません。
クチバシは太いわ短いわ、
舌も特に筆っぽくもないし、
花の蜜を吸うのには全然向いてない。
スズメさんの蜜の吸い方
そういう訳で、
スズメさんは残念ながら
メジロさんやヒヨドリさんのように花にクチバシをさしこんで~
なんて器用なことはできません。
じゃあどうするか。
花を根元からブチ切って蜜だけ食べます。
ラッパのように花をくわえて蜜を堪能。
蜜を食べ終わったら花はポイです。
ちぎっては投げ、ちぎっては投げ。
それを次から次へと繰り返すもんだから、
スズメが通った後には
キレイな花がまるごと地面にゴロゴロ転がっているという始末…
被害者①:ニンゲン
メジロやヒヨドリは花を傷つけずに蜜を吸う事ができますが、
スズメは咲いたばかりの大事な花を
ちぎっては投げちぎっては投げ。
咲いたなーと思った端から地面に落ちていく花々。
花見がしたいニンゲンにとっては迷惑この上ない!
被害者②:花木
メジロやヒヨドリは蜜を吸う時に
顔に花粉をいっぱいくっつけて受粉を助けてくれるので、
蜜を用意する花木にとっても良いことがあります。
お互い様だよね!
でも、スズメは根元からブチーッといくので
花粉が顔につくことも、
花粉を運ぶこともありません。
花粉を運んでもらいたい花木にとっても迷惑この上ない!
花粉を運ばないクセに蜜だけちゃっかりもらっていくことを
「盗蜜(とうみつ)」と言います。
……ということで、
メジロさんやヒヨドリさんより
ちょーっとスマートさには欠けますが(笑
花の蜜を吸うのが上手ではないなりに
スズメたちは工夫して
みんなで美味しい蜜を食べているんですね。
最近になって花の蜜が流行ってるスズメさん
花の蜜を食べるようにできていないスズメは
もともと花の蜜を吸う鳥ではなかったと言われています。
花の蜜を吸う姿が見られるようになったのは
比較的最近(1980~1990年代頃)のこと。
何かのキッカケで花の蜜を舐めてみた
好奇心旺盛な最初のスズメさんが
みんな!この花ちぎってみ!ちょう美味いよ!!
という具合で(?)群れのみんなに教えたら
いつの間にかほぼ全国のスズメに広まっちゃったのかも。
花の蜜は「季節限定のご馳走」
以上、花の蜜が大好きな鳥たちの
蜜の吸い方と便利な体のカタチについて
ご紹介してみましたー。
ただし、花は1年中咲いている訳ではないので、
花の蜜が大好きな鳥たちも
普段は果物や虫、種子などを食べています。
みんな雑食だから、植物も動物(虫)も食べるよ!
でもやっぱイチバンは果物よねー。
お米もオイシイ。
大好きな花の蜜は、期間限定の特別なご馳走!
花が咲く時期だけ見られる可愛い姿を
是非そーっと観察してみてくださいね。